お金や工数の計算においては単位同士の計算も意識しよう

皆さん、こんにちは。管理人です。今回は、お金や工数などの計算について述べたいと思います。

単位同士の計算も意識する

例えば、あるお店において 4 人の人が時給 1000 円でそれぞれ 8 時間働いたとしましょう。このとき、お店がこの 4 人に支払わなければならない給料の総額はいくらでしょうか? もちろん、答えは

1,000 × 4 × 8 円 = 32,000 円

となるのですが、次のように考えてみます。

働いた人の人数と、その人たちが働いた時間(総和ではない)の積を工数と呼ぶのでした。つまり、工数は次の式で計算することができます。

工数 = 人数 × 時間

ここで、工数の単位が問題となってくるわけですが、これは時間の単位としてどれを採用するかによります。例えば、時間の単位は「月」、「日」、「時間」などがありますが、時間の単位として「月」を使うことにすると、工数の単位は「人月」となります。時間の単位として「日」を使うことにすると、工数の単位は「人日」となります。時間の単位として「時間」を使うことにすると、工数の単位は「人時」となります。今回は、時間の単位として「時間」を使うことにします。今回挙げた例では 4 人の人たちがそれぞれ 8 時間働いたので、工数は 4 × 8 人時 = 32 人時となります。

なお、この記事において「時間」に関係するものを計算する際は「時」という表記も許すことにします。すると、今回の例における工数は

4人 × 8時 = 32 人時

というふうになります。人数を表す「人」という単位と、時間を表す「時」という単位を掛け算することにより、新たな単位「人時」が生まれるわけです。

そして、今回は 1 人時の工数に対して 1,000 円が支払われる訳ですから、単位まで考えると 1,000 円/(人時) となります。円/(人時) という表記が出てきましたが、これは単位同士の割り算によって新しい単位を作ったということになります。物理学においては、単位同士の掛け算や割り算によって新しい単位を作るというのはよくあることです。

そうすると、今回の例でお店が支払わなければならない給料の総額は

\begin{align}
1{,}000 \ 円/(人時) \times 4 \ 人 \times 8 \ 時 &= 1{,}000 \ 円/(人時) \times (4 \ 人 \times 8 \ 時) \\
&= 1{,}000 \ 円/(人時) \times 32 \ 人時 \\
&= 32{,}000 \ 円
\end{align}

となります。「人時」という単位が約分されていることに注目してください。このように考えればしっくりくると私は思うのですが、皆さんはどうでしょうか? ちなみに、今回は 4 人 × 8 時 を計算して、それと 1,000 円/(人時) を掛け算しましたが、次のように 1,000 円/(人時) × 8 時を先に計算しても(もちろん)同じ答えとなります。

\begin{align}
1{,}000 \ 円/(人時) \times 8 \ 時 \times 4 \ 人 &= 8{,}000 \ 円/人 \times 4 \ 人 \\
&= 32{,}000 \ 円
\end{align}

この場合は、先に 1 人に対して支払わなければならない給料 8,000 円(あるいは 8,000 円/人)を計算してから、4 人という人数を掛けていることになります。ちなみに、この場合は「時」あるいは「人」という単位が約分されています。

別の例を考えてみます。ある(架空の)会社では、単発の仕事に時給 1,500 円(つまり、これは 1,500 円/(人時) ということです)を支払いました。そして、この単発の仕事に支払った給料の総額は 30,000 円です。このとき、工数はどうなるでしょうか? 答えは、次のような計算で求めることができます。

\[
\frac{30{,}000 \ 円}{1{,}500 \ 円/(人時)} = 20 \ 人時
\]

また別の例を考えてみます。1 USD = 150 JPY であるとき、JPY = USD / 150 であるので、

\begin{align}
60{,}000 \ \rm{JPY} &= 60{,}000 \times \frac{\rm{USD}}{150} \\
&= \frac{60{,}000}{150} \ \rm{USD} \\
&= 400 \ \rm{USD}
\end{align}

となります。

またまた別の例を考えてみます。秒速 10 メートルで 12 秒走ったとき、走った距離は次のような計算で求めることができます。

\begin{align}
10 \ \rm{m/sec} \times 12 \ \rm{sec} &= 10 \times 12 \times (\rm{m/sec} \times \rm{sec}) \\
&= 120 \ \rm{m}
\end{align}

以上のように、単位同士の計算も考えてやると計算ミスが少なくなるのではないかと私は考えます。

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